印象的なタイトルに惹かれて、品切れしていた『ゲド戦記』の代わりに借りたのがこの…
『しわ(Arrugas)』という作品。
正直、この作品に出会えて良かったと思った。
今回の記事はラジオトークにも配信しました。
タップすれば音が鳴ります。
それほどまでに衝撃的だった。
面白い、とかではなく。
感動的なものでもなく。
“長生きした人の未来”が90分近くもの映像で表現されていたから。
(公式サイトはこちらから。)
公式サイトを見てお分かりいただけた通り、この映画は『老い』を描いている。
しかも認知症という、誰しもが聞いたことのある症状で苦しむ登場人物の葛藤が、生々しくリアルに。
はっきり言って、この作品は多くの人が見るべきなんじゃないかと思う。
なぜなら、人間はみんな歳老いていくから。

認知症は65歳以上の7人に1人が発症している。
決して他人事ではない。
原作は、スペインのマンガ家、パコ・ロカによる『皺』という漫画作品から。
個人的にこちらの漫画は電子書籍化してくれたら購入したいと思った。(紙の本は持ちたくない主義なので…)
養護老人施設を舞台に、認知症の疑いがあるエミリオと、同室のずる賢いオヤジのミゲル。
この2人を中心に、物語は進んでいきます。
この2人の関係性が次第に変化していくところは、この映画で屈指のポイントです。
というか、この作品はミゲルが主人公なのではないかと思いました。初めはすっごく嫌なオヤジだったんですけど…は〜〜。ミゲル、お前…お前…(顔を覆う)。
こんなオヤジに向かって『尊い』と感じる日が来るなんて、びっくり。
いや、作品自体は考えさせられるテーマだなと思いましたが、ラストのミゲルの行動に尊さを感じてしまった。
それまで感じたやるせない気分が、一瞬で報われたように感じました。
できるだけネタバレは書かないつもりですが、
オタクが観ると変な方向に振り切ります(大嘘)
姉が介護士なのもあって認知症の方の話をよく聞きますが……実際にはあまり見たことがなく、知識もまだまだ足りません。
今回この作品を通して、新たに『認知症』について考えを改めようと思いました。
そうそう、
作中ではミゲルが時折、エミリオのことを“ロックフェラー”と呼びます。
ロックフェラーって、大富豪の家系の苗字なんですね。
アメリカ合衆国の石油王、ジョン・ロックフェラー。
アメリカ人初の保有資産10億ドル超えとなった人物。歴史に興味がない私は初耳でした(笑)

ちょっとだけ勉強になりました。
今回はここまで。
気になった方はぜひ、観てみてください。