前回、空き家問題の基礎知識についての記事を書きました。
-
-
こえつ学習室4/『空き家問題』について(前編)
5/9の神戸新聞(地域面)より一部抜粋 空き地放置に行政指導(全角15文字) 兵庫県加古川市では、空き地を適正に管理しない所有者に対し、管理するよう促す“行政指導(または勧告)”を出来るよう定めました ...
続きを見る
今回は空き家を所持することで起きる様々なことについて紹介していきます。
前回と同じく、上田真一『あなたの空き家問題』という書籍を参考に書いています。
2015年刊行なのですが…増販掛かっていないのかな?

中身は初心者にわかりやすく読みやすい良書なのでおすすめしたいです。
この記事経由で気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね!
前置きが長くなりました。中編スタートです!
放置された空き家の恐怖
前回の記事でも書きましたが、
日本の空き家の数は相当なものとなっています。
とくに実家から離れて住んでいる人は、将来的に空き家所有者になる可能性も高いわけです。
管理できれば良いのですが、大概は億劫になってきてだんだん管理する頻度も減って…。
そうして放置されることが多いのだとか。

もしもこの実家の管理することになったら…そう考えるだけで目眩がする(苦笑)
では、放置された場合どうなってしまうのか。
大きく3つのパターンを紹介します。
①劣化
1番に思い浮かぶのはこれかと思います。
いくら“木造住宅の寿命は約64年”と、かしこい大学教授が言っていたとしても。
築30年を越えれば、それなりに劣化します。

扉の開閉がスムーズでなかったり、床がほんの少し傾いていたり。
(歩くとメキメキと音が鳴る…)
住むには問題ないですが、10年後は分からない状況です。
木材を主に使って建てられた家だと、“雨漏り”にはとくに気をつけなければいけません。
木材はご存知のように湿気に弱いです。
一気に劣化・強度を失った住宅は、倒壊の危険性を増します。
たとえそこが誰も住んでいない空き家だとしても、倒壊した時、万が一周辺の建物や人に危害を及ぼしたなら…。
想像しただけでゾッとしますね。

梅雨や台風のシーズンまでには直しておくことが良いでしょう。
これは空き家に限らないことですが、
ある程度古くなった家に住んでいる人も、雨漏りをしていないか確認する方がいいかもしれませんね。

いますぐ確認だ!!
雨漏りは天井だけでなく、サッシ(窓枠)部分にも起こることも多いです。
放っておいたら床が水浸しになるので、そこも忘れず確認しておきましょう!
②害虫・害獣
害虫はわかるけど、害獣??
そう感じた方も多いのではないでしょうか。
空き家での主な害獣とは…そう、ネズミです。

お猿さんではない
ネズミたちは寒さを凌ぐために住み着きます。
(もちろん空き家に限った話ではない。)
また、空き家の中に家具や布団が置いたままだと、
暖をとるための素材として使えるために彼らのターゲットハウスとして狙われやすくなります。

それがディズニーなら嬉しいけども…。
ネズミが増えると、彼らを捕食するイタチや、ハクビシンなどの害獣も集まりやすくなると書かれていました。
(イタチはともかく、ハクビシンって何?)
調べてみると。
イタチや猫より、タヌキに似ている動物でした。
ぱっと見可愛い系ですが…見つけたらすぐに駆除の依頼を頼む方がいいでしょうね。

同じ場所に糞、尿をする習性があります。
放っておくと、そこが肥溜めみたいになってしまうのね…やめて〜!!(汗)
そして害虫の代表格はご存知、シロアリ。
シロアリは湿気の多いところを好みます。
換気を行っていない放置された空き家は、彼らにとって絶好の穴場スポットというわけです。

彼らの恐ろしさはなんと言っても家を食べること。
家の支えである柱や梁を食い散らかされると倒壊する原因になります。危険!
空き家でなくても発生する害虫ですが、
シロアリ被害はいち早く見つけることが肝心!
管理を疎かにしている場合は、気づけば甚大なほどの被害を受けているかもしれません。
また、発生したシロアリは隣家へ移り住むことも…。
場合によっては損害賠償の裁判沙汰になりかねない恐怖です。

見つけたら見てみぬふりせず、業者を頼むなりして駆除しましょう。
③雑草(植物)の問題化
害虫の代表格はシロアリですが、もちろん他の害虫も発生することもあります。
とくに雑草などが原因で発生するのが…ヤブ蚊。
草むらなんかに行くと飛んでいますよね。

ムヒを塗るだけでは治らなさそう…
さらにはこのヤブ蚊を狙って他の昆虫・動物が寄ってくる可能性があります。
この問題を解決するには、とにかく植物を放置しないことに限るのです!
また、枯葉などが雨どいを防いでしまうと雨漏りの原因になることも。
そのため、空き家に植物や木がある場合は
- 定期的に剪定をする
- いっそ木を切り倒す、植物を処分する
また、雑草に対しては防草シートがオススメとのこと。
シートの上に防犯砂利を敷くことで害虫だけじゃなく、人間の侵入者も防げるのだとか。そんな商品があるんですねぇ。
さらに、空き家が生む被害とは
空き家から発生する問題が自分だけで済まない可能性が大いにある。
そのことを紹介していきましたが。さらに!
さらに発生させる問題があるのです。

まだあるの〜〜?
それは、土地の価格が安くなってしまうこと。

空き家がある周辺は土地の価値が下がるのです。
(これを知った時は衝撃的だった)
それが放置状態の空き家ならば尚更です。
ちなみにその理由は主にこの3つ。
- 害虫・害獣の危険性。また防犯面でも危険
- 倒壊の危険性。崩れた屋根などが飛散する可能性
- ゴミを不法投棄されやすく、悪臭の原因になる
これらのようなことから、空き家がある周辺の土地は価値が下がってしまうのです。

でも危険なところは住みたくないよなぁ。
個人的には土地の価値が下がれば固定資産税のような税金も下がるのではないか?と思うのですが、どうなんでしょうね?
とにかく、放置することで多くの問題を発生させるのに変わりありません。
迷惑空き家にならないよう、空き家を所有する時はそれなりの覚悟が必要ですね!
もしも空き家にクレームが入ったら…
被害に遭う周辺住民は、多くの場合
その迷惑空き家の所有者が分からない状態です。
そのため、市区町村が所有者を見つけ出して手紙などで注意を促します。
これを行政指導と言います。
(前回の記事の冒頭にも出てきましたね。)
それでも所有者が何も行動を起こさなければ、今度はそれよりも重い勧告書が送られます。
この段階で『特定空き家』に指定されます。
特定空き家になると…家の固定資産税が最大4倍に膨れ上がるのだとか。お、恐ろしい。
それをも無視するとどうなるのか。
今度は最後の通告、命令が出されます。
50万円以下の罰金や住所氏名の公開などが課せられる場合があります。
それをも無視すると……。
勝手に解体されます。
勝手に解体されます。
(大事なことなので2回書きました。)
ちなみに、この解体にかかった諸々の費用は
全て所有者持ちとなります。

しかし、所有者が不明のまま(未登記)の空き家だとこの方法が使えませんよね。
それってある意味勝ち逃げ…
(勝ち負けの話ではないのは承知していますが)
まとめ
今回は放置された空き家が生む問題について、
前回よりも具体的に紹介していきました。
害虫被害・劣化・雑草などの他にも、
近隣住民に多大な影響を与える可能性があるのには理解して置かないとダメですね。
空き家への恐怖を煽る記事になりましたが、
次回はそんな空き家をどう取り扱っていくのかについて書こうと思います。
今回長くなってしまったので、最後まで読んでくれた方はお疲れ様です!
今回はここまで、ありがとうございました!